複雑な問題に直面したとき、あなたはどのようにして解決していますか?なかなかいい案が浮かばなかったり、何から手をつけていいのか分からない時もあるのではないでしょうか。そんな時にも役立つのがロジカルシンキングのフレームワークです。
フレームワークに当てはめて考えることで、問題を整理し分析することができ、効率的に解決策を見つけ出すことが可能となります。ここでは実践でもよく使われるロジカルシンキングのフレームワークについて、その特徴と活用方法を解説していきます。
MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)は、問題を整理するためのフレームワークで、日本語で言うところの「モレなく、ダブりなく」情報を整理することを目的としています。
・Mutually Exclusive(相互排他):項目が重複しないようにすること。つまり、ある情報が他の情報と重複しないように分ける。(ダブりなく)
・Collectively Exhaustive(網羅的):すべての重要な情報を抜け漏れなく網羅すること。(モレなく)
【活用方法】
このフレームワークを使うことで、問題の要素を重複なく分け、かつ全体を網羅的に考えることができます。例えば、ビジネスでの問題解決において、顧客満足度を向上させる方法を考える場合、MECE法を使って「価格」「商品」「サービス」などに分け、それぞれの要素についてさらに細分化して分析します。
「5W1H」は、問題を深く掘り下げて理解するためのフレームワークで、以下の6つの問いを使います。
・Who(誰が):問題に関係する人物は誰か?
・What(何が):問題とは何か?その内容は?
・When(いつ):問題が発生したタイミングはいつか?
・Where(どこで):問題が発生した場所や環境はどこか?
・Why(なぜ):問題が発生した原因は何か?
・How(どのように):問題を解決する方法は何か?
【活用方法】
この6つの問いを使って問題を分解し、各側面からアプローチすることができます。特に問題の背景や原因を明確にする際に有効です。例えば、売上が低迷している場合、5W1Hを使って、どこで、誰が、どんな原因で売上が落ちているのかを分析します。
SWOT分析は、ビジネスやプロジェクトを成功させるために「今の状態」を整理する方法です。次の4つの視点から、自分たちの強みや弱み、チャンスやリスクをはっきりさせることができます。
4つのポイント
・Strength(強み):他社より優れていること、自信があること
・Weakness(弱み):まだ足りないところ、改善が必要なこと
・Opportunity(機会):今後のチャンス、追い風になること
・Threat(脅威):外部からのリスクや、競合の動きなど
【活用方法】
自組織の強みをもっと活かしたいときや、課題を整理して改善策を考えたいときなどにSWOT分析が有効です。4つのポイントに落とし込むことで、プラス要因とマイナス要因を分析し、よりよい方向へ向かうヒントを見つけることができます。
仮説思考は、問題解決のアプローチとして「仮説を立てて検証する」という方法です。問題が発生したときに、まず仮説を立て、その仮説が正しいかどうかをデータや事実を使って検証していきます。この方法を取ることで、無駄な仮定を排除し、効率的に問題解決に取り組むことができます。
仮説思考の流れは以下のようになります。
1. 問題の概要を把握
2. 初期仮説を立てる
3. 仮説を検証するためのデータや証拠を集める
4. 仮説が正しいかどうかを確認し、問題解決策を導く
【活用方法】
このアプローチは特に不確実性の高い問題に効果があり、ビジネスの意思決定や研究開発の場面でよく使用されます。
PDCAサイクルは、計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)という4つのステップを繰り返すことで、継続的な改善を目指すフレームワークです。業務の効率化や品質向上、問題解決などに役立ちます。
・Plan(計画):問題を明確にし、その解決方法を計画する。
・Do(実行):計画を実行に移す。
・Check(評価):実行結果を評価し、問題点や改善点を把握する。
・Act(改善):評価結果を元に、次回の改善策を立てる。
【 活用方法】
業務改善や人材育成、営業活動、プロジェクト運営など、あらゆる場面で活用できるのがPDCAサイクルです。仕事やプロジェクトを継続的に改善していくための、基本的な考え方で、CheckとActを丁寧に行うことで成長スピードを加速させることができます。
ロジカルシンキングは、複雑な問題を整理し、解決策を導くために非常に重要なスキルです。紹介したフレームワーク(MECE法、5W1H、SWOT分析、仮説思考、PDCAサイクル)は、日常的にも使いやすく、またビジネスでも活用できるものです。これらをうまく活用することで、問題をわかりやすく分析し、効率的に仕事を進めることができるでしょう。ロジカルシンキングを磨くことで、課題に直面したときに冷静かつ効果的に対応できるようになり、意思決定力や問題解決能力が大きく向上するはずです。ぜひ、実践してみてください。
株式会社フォースコミュニティでは、MECEの他、帰納法と演繹法、因果関係などの論理的な思考力を身につけるロジカルシンキング研修を提供しています。「ロジカルシンキング研修」をぜひ、ご受講ください。
【公開型】