起業の仕方

現在会社勤めをしている人の中で、今の仕事を辞めて起業したいと考えている人は多いのではないでしょうか。しかし独立することは、安定した会社員生活を手放すことになり、大きなリスクを伴います。とは言え、リスクばかりを考えていては起業はできません。ここでは私自身が実際に起業した経験に基づいて、起業をするにはどのように進めていったら良いか、またどのような点に注意をしたら良いかといった、起業の仕方についてお伝えします。

 

アイデアを出す

独立して事業を成功させるためには、良いアイデアが不可欠です。何か特別な資格やスキルを持っていれば別ですが、そうでない限りは、世の中にないサービスや、他社と差別化ができるようなサービスでなければ、厳しい競争を勝ち抜くことは容易ではありません。逆に言えば、すでに世の中に存在するサービスと差別化を図れるようなアイデアを思いつくことができれば、事業を成功させる確率が高まると言えるでしょう。

※起業のアイデアをどのように出すか、詳細は起業のアイデアの出し方をご覧ください。

 

仕事を辞める前に試してみる

良いアイデアが浮かんだ場合に、いきなり今の仕事を辞めて起業するのはリスクがあります。やってみたら意外とうまくいかないと言うことは往々にしてあります。そうなってから以前の仕事に戻ることは容易ではないでしょう。インターネットが普及している現代では、仕事を辞めずに事業を開始することができる場合も多くあります。副業が可能な職場であれば、プライベートの時間を利用して事業を行うことができます。副業禁止の職場であったとしても、利益を出さない形で、つまり趣味としてアイデアを試すことも可能です。例えば個人向けのホームページを作ってみて、アクセス数を増やすことを目指すのも一つの手です。アクセス数が多いということは、それだけ多くの人が興味を持っているということになります。つまり需要があるサービスである可能性が高まるのです。基本的には、売上や利益を出さずに報酬を得なければ、副業には該当しません。そうすることで、会社を辞める前に事業をスモールスタートさせることができるのです。良いアイデアが浮かんだ場合には、一刻も早くスタートさせたい気持ちになるかもしれませんが、少し慎重になって、会社員として働きながら少しずつ始めていくことをお勧めします。

 

収支シミュレーションを行う

実際にアイデアを試してみて、ある程度手ごたえを感じられたなら、次にそのビジネスモデルで経営的に成り立つか、また自身が本当に生活できるかをシミレーションしてみましょう。いかに良いアイデアで多くの人から求められるようなサービスであったとしても、利益を出すことができなければ事業としては成り立ちません。売上高はいくらになって、原価はいくらで、利益はいくら残るのか。毎月どのぐらいの数の販売が見込めるのか。副業として販売している場合には、それを基準に考えると良いでしょう。もしここで事業として利益を出せそうにないことが判明した場合には、ビジネスモデルを再検討する必要があります。

 

労働日数や労働時間をシミュレーションする

収支シミュレーションに加えて、労働日数や労働時間のシミュレーションを行うことも必要です。人一人が働くことができる時間には限界があります。最初は休日やプライベートの時間は要らないと考える人も多いと思いますが、それを前提として計画するのは危険です。働き過ぎて体調を崩す恐れもあれば、精神的にきつくなってしまう可能性もあります。自身の考えたビジネスモデルを実行した場合に、一週間のうちでどのぐらいの日数の勤務が必要であって、一日のうちでどのぐらい労働する時間が必要なのか、これらをイメージすることが大切です。自分一人ではこなすことができないほどの業務量になりそうであれば、物理的に成り立たない可能性が高いでしょう。もちろん自分以外の従業員を雇用するだけの金銭的余裕があれば良いのですが、最初はそのような状況には至らないケースがほとんどかと思います。労働日数や労働時間をシミュレーションしてみて、成り立ちそうにない場合には、これらを短縮させる方法を探るか、あるいはビジネスモデル自体を再考する必要があるでしょう。

 

周囲の人に相談する

自分では非常に良いと思えるようなアイデアでも、他の人から見れば穴だらけであるというケースもあります。家族や恋人、友人だけでなく、ビジネスの経験が豊富な先輩や、商工会議所等や自治体等の公的機関にある起業支援サービスを行う機関に相談するのも良いでしょう。自身のアイデアを否定されることもあり得るため、あまり話したくないと言う気持ちになる人もいると思いますが、反対意見に耳を貸すことも必要です。否定的な意見を言われることで、自身のアイデアの課題を見つけ出すことができ、改善ポイントが明確化される場合もあります。それによってビジネスモデルをさらにブラッシュアップすることができるのです。また相談することで協力者が増えるというメリットもあります。知り合いがゼロから起業するとなった場合に、多くの人は協力的になってくれるものです。設立初期は、他人を雇う金銭的な余力はなかなかないかと思います。その時に無償で手伝ってくれたり、相談に乗ってくれたりする人がいたりすると、事業が成功しやすくなると言えます。私自身も、起業前に多くの友人に相談をしたことで、設立初期からボランティアで手伝ってくれる友人が現れたり、後から社員になりたいと申し出てくれ、後に一緒に働くようになった友人もいました。経営を行う上で人脈は非常に大きな武器です。ぜひ周囲の人に頼ってみてください。

 

※経営者にとって必要な人脈作りの方法は、経営者の人脈作りをご覧ください。

 

最終的には思い切って踏み出す

以上のような手順を踏んでみて「これでいけそうだ」と思えるようになったら、起業に踏み切ると良いでしょう。忘れてはいけないのは、どれだけ入念に準備をしたところで、必ずしも成功する保証はないということです。これまでの安定を捨てること、未知の世界に飛びこむことは、本当に勇気が要るものです。しかしそこで踏みとどまってしまっては、何も始まりません。最終的には「ええい、やあ」の気持ちで、思い切って一歩を踏み出すしかないのです。恐怖のあまり眠れない夜もあるでしょう。最後はこの一歩を踏み出せるかどうかで決まります。※経営者の実情をより詳しく知りたいという方は、経営者向け情報をご参照ください。

 

以上、起業の仕方についてまとめました。起業には、慎重に進めることと、思い切って踏み出すことの、一見して相反する二つの行動が必要です。どうしても迷って踏ん切りがつかないという場合には、「この一歩を踏み出さなければいつか後悔しないか」それを考えて決めるのが良いかと思います。今後の人生で後悔しそうだと感じたのならば、踏み出してみるのが良いかと思います。やらない後悔よりやる後悔。あなたの起業が成功することをお祈りしております。

【参考】実行力研修 ー実現に向けて行動する力を養うー

 

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